知る人ぞ知る「安藤製靴」とは、

東京都墨田区錦糸町に本社と直営店舗を構える「安藤製靴」。
その歴史は古く1959年4月に設立され、登山靴の製造からスタートしたMADE IN JAPANの革靴の製造メーカーです。
直営店舗では、登山・タウン向けの靴は「PULSE」、バイク向けの靴は「NERO」という2つのブランドで製品展開。
過去には、アメリカのダナー社のチャッカーブーツをOEM生産していた時期もありました。
現在はカドヤ(KADOYA)という、日本のオートバイ用の革製品メーカーのOEM生産も行っています。
また、世界的な冒険家の梅村直己氏の靴を手掛け、エベレストの最高齢登頂者の三浦雄一郎氏も「安藤製靴」の靴の愛用者の一人。
信頼と実績で、その実力は折り紙付きの靴製造メーカーです。
2019年には60周年を迎え、貴重な皮革を使用し作られた60周年記念限定モデルを抽選で販売しましたが、すぐに完売していました。
実は、私も欲しかったのですが、気付いた時には完売していて手遅れ…残念…。
甲高、幅広の日本人の足の為に、日本の職人が作った靴

安藤製靴の製品ラインナップのほとんどが、足幅が3E相当で甲の部分も高めに作られており、使用されている皮革も柔らかな感触。
これは日本人に多い、幅広で甲高な足に合った靴が外国製の靴にはあまりないことから、日本人の足に合う靴を研究し自ら製造した結果のようです。
また、幅広に作られた靴はデザインがボテッとしてしまいがちですが、安藤製靴の靴は見た目では3E相当とはわからないくらいスッキリとしたデザインも魅力の一つ!
私自身も幅広で甲高な足をしているので、とてもありがたい事なんですよね。
購入時に安藤社長とお話しする機会があり、足幅の相談をしていたら社長ご自身も足幅が4Eあるそうで、親身にアドバイスをしてもらえたのも嬉しい限り!
幅広で甲高な足でお悩みの方には、是非一度、安藤製靴の靴を試して下さい!
幅広で甲高な私の足のサイズ 私の足は日本人に比較的多いと言われている、甲が高くて土踏まずのアーチが大きく、足幅の広い足をしています。 直立して足に体重がかかった状態の裸足の実寸で… 足の長さは、踵から指の一番長い[…]
質実剛健!こだわりの靴作り!

安藤製靴で製造される全ての靴は、登山靴を作る時に使われるノルウェージャン製法という手間と高い技術を必要とする製法で作られています。
この製法は、甲革材・革中底・合亀等を直接縫い付けて行う製法で、とても堅牢な靴に仕上がるのが特徴!
使用される皮革も品質が高く、スイスのガルサー社(現在は廃業)、アメリカのホーウィン社、イタリアのベスタ社などの、しっかりとした厚みと柔軟性のある皮革を使用。
品質の良い皮革が手に入らない場合は、靴を作らないという徹底ぶりには驚きを隠せません!
また、ハトメなどの金具や靴紐が、通常の物では革の厚さ、強度、靴自体の耐久性に対応できないため、オリジナルで開発されたとても頑丈な物を使用。
踵の部分の当て革も、外国製だとステッチだけのブーツが多いのですが、ちゃんと革を縫って補強されています。
日本の職人が日本人の足の為に作る高品質な靴には、高い技術力とこだわりが詰まっています。
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実際の履き心地は?

私が安藤製靴を知ったのは、ブーツマニアの知人からの情報でした。
彼は、外国メーカーのブーツを多数所有していて、いつも自慢気に話していたのですが…。
その彼が、ある時ネットオークションなどで自慢のブーツコレクションを全部手放してしまったのです。
その理由は安藤製靴のブーツの履き心地。
彼も、幅広で甲高な足をしており、外国製のブーツが足に合っていない事を気付かされた様でした。
「安藤製靴の靴を履いたら、他のブーツは履けないよ…。」
と、しみじみ言っていたのを今でも鮮明に覚えています。(笑)
今回、私もOR-5というブーツを購入し愛用しているのですが…。
やはり、最初にその履き心地には驚かされました!
新品の状態でも、柔らかに足に吸い付く様なフィット感!
今まで、新品の革靴は、革が足に馴染むまで少々我慢するのが当たり前と思っていたので、かなり衝撃でした。
手で持つとしっかりとした重量を感じるのですが、実際に履くときちんとフィットしているせいか物凄く軽く感じます。
そのまま履いて、5〜6㎞歩きましたが靴擦れもなし!
このところ徐々に革に馴染みがでてきましたが、靴の中で左右に足が振れず、安定感と安心感も抜群!
地面をしっかり踏みしめて踏ん張りの効く感じは、スニーカーにはない感触です。
スモールビジネスだから出来る事

「安藤製靴」の職人さんのこだわりが、しっかりと詰められた革靴。
大量生産・大量消費・大量廃棄の時代に慣れてしまった我々に、忘れていた大切な事を思い出させてくれる製品の一つかもしれません。
効率とコストが最優先されて物が作られる世の中…。
使い捨てにされ、すぐに新しいものがまた消費され成り立っている今の経済…。
「安藤製靴」は、その真逆をいくビジネスをしている所に凄さを感じます。
その製法は、上記の通り手間と技術を惜しまない靴職人のこだわりが詰まっています。
直営店舗の営業日は、火・木・土曜日の15:00〜18:00とかなり限られた時間しかありません。
電話、インターネットでの注文や問い合わせの受け付けも上記の時間内のみ。
メディアへの広報活動も全く行っておらず、広報と言えば自前のホームページとインスタグラムで製品の紹介をしているくらい。
これは、靴職人さんが靴を作りながら販売もしているからなんです。
もちろん、店舗でも電話でもサイズなどの相談でアドバイスをしてくれるのも靴職人さん。
安藤製靴の靴の価格帯は3万〜6万円台です。
決して安くはありませんが、同じ仕様の外国製の靴なら1.5倍以上の価格がついていても不思議ではありません。
品質に関わるこだわりの部分では一切手を抜かず、販売部分での工夫で高品質な靴を良心的な価格で提供してくれています。
高い技術力とお客さんからの信頼があって成り立っている、スモールビジネスだからこそ出来る事のお手本かもしれません。
侘び寂び、物を大切にするという事

私の個人的な好みなのですが、革製品は経年変化も魅力の一つだと思います。
汚れたり、傷が付いたりしても、それは唯一無二であって愛着が湧いたりします。
安藤製靴の靴は、きちんとメンテナンスをして靴底が減ったら張り替えてやれば10年20年と使い続けることがでるほど堅牢な作りです!
購入後もその変化を楽しめると同時に、限りある資源も大切にできているなんて一石二鳥だと思いませんか?
愛着を持った物って大切に扱いますよね?
次を担う世代の為にも、そういった製品が増えて使い捨ての時代が幕を閉じてくれたら良いと思います。
減価償却なんて言葉はお金だけの話で、資源は使われ続けてどんどん減っているのですから…。
私にとって「安藤製靴」で作られるこだわりの靴は、そういった事を考えさせられる本当に奥の深い靴でした。
本当に、良い革靴です!
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