デジタルモデリングアンプ主流の時代になぜ真空管なのか

有名ギタープレーヤーがライブやレコーディングで使用する事の多い真空管アンプ。
デジタル系のアンプの方が重量も軽く持ち運びも楽だし、メンテナンスもほとんどいりません。
さらに、デジタル系のアンプには色々なエフェクターも搭載されているし、アンプシュミレーター機能も付いていたり、単体の使用でも多彩な音が出せて便利です。
それなのに、なぜ真空管のアンプを使うのでしょう?
答えはすごくシンプルで、真空管アンプでしか出せない音があるんです。
真空管アンプには、その反応の早さからくる「表現力の豊かな音」、倍音豊かで音圧の高い「立体感のある音」を出せるという特徴があります。
現代のデジタル技術で、この真空管の特徴を再現しようと試みている製品もありますが、まだ一歩及ばずといったところが今の現状…。
その為、繊細なニュアンスを表現したいギタリストには、未だ真空管アンプが欠かせない存在なんです。
そしてもう一つ特徴があり、それは録音時の音に違いがでる事。
同サイズのデジタル系アンプと同じ音量で録って比較するとわかるのですが、真空管アンプで録音した音はグッと前に出てくる存在感の強い音。
デジタルサウンドを主とするバンド編成では、全体の音のバランスに気を使って、あえて真空管アンプを使わない人がいるほど音の存在感に違いがでます。

自宅練習用に最適な小型真空管アンプ「Bugera V5 INFINIUM」

真空管のアンプの特徴を知っている方なら…。
「真空管のギターアンプで自宅練習?」
「真空管アンプは小型でも価格が高いし、音も大きくて自宅で鳴らせるような代物ではないじゃん!」
と、思う方が多いかもしれません。
いえいえ、ありますよ。価格も安く自宅でも鳴らせる小型真空管アンプが!
今回、私が購入した「Bugera V5 INFINIUM」は、価格も手頃で出力が5Wの真空管アンプ。
小型のアンプでは珍しく、クリーントーンが得意なアンプです。
私が購入した2018年の時は、税込で20000円を下回る価格でしたが2020年2月現在は税込で33000円程度に値上がりしてしまいました。
それでもまだ、大手メーカーの小型真空管アンプよりは安いですよね。
今後、また値上がりする可能性もあるので、ご購入を考えている方はお早めに!
楽器、音響機器のことなら「サウンドハウス」さんの公式ホームページはここをクリック自宅で使用する為のありがたい機能
出力を0.1Wまで落とせます 真空管の交換時期を知らせてくれます
ヘッドホン端子も装備
出力が5Wと小さいアンプなのですが、それでもまだ自宅で使用するにはご近所に迷惑がかかりそうな大きな音がします。
そこで使える便利な機能、出力ダウンのアッテネーターを搭載!
5W⇨1W⇨0.1Wと3段階で出力が選べます。
0.1Wまで出力を落とせば、自宅でも鳴らせるレベルの音量まで下げることができるんです。
また、ヘッドフォンアウトの端子もついているので、深夜の遅い時間帯にヘッドフォンを繋いで練習も可能。
これらの機能だけでも、コストパフォーマンスの高いアンプだと思いますが…。
8インチ4Ωのスピーカー
スピーカーも初期のモデルからアップデートされて、8インチのTurbosoundのスピーカーに変更されています。
初期のモデルでは、音の改善の為にスピーカーを交換される方も多かったようですが、このスピーカーの音質からはその必要性を感じません。
8インチなので低音はあまり出ませんが、自宅で使用するにはその方が近所迷惑にならず逆にありがたかったりします。
さらに、リバーブと真空管の交換の時期を知らせてくれるランプもついています。
十分な機能が揃っているので、ギターからアンプに直接繋いでも自宅練習では不満なし!
機能、音質ともに価格以上の完成度になっている真空管アンプです。
真空管アンプで練習する意味

私自身、以前、自宅で練習する時は小型のデジタル系のアンプを使っていました。
やっぱり、手軽で便利ですもん。
そんな時に、真空管のアンプを弾く機会があり衝撃を受けたんです。
全く弾けない…。
コードを弾いた時の、6弦の音がバラバラで全然まとまりがない!
少しフレーズを弾いても、1つ1つの音の大きさに差があってメロディが台無し…。
ピックのタッチのコントロールがまるで出来ていなかったんです。
バークリー音楽大学のトモ藤田先生が真空管アンプで練習しなさい!って言っていたのはこういう意味か!
と、その時、実感したのでありました。
真空管ならではの使用方法とメンテナンス(デメリット)
ここまでは真空管アンプのメリットのお話が主だったので、ここからはデメリットのお話を…。
真空管アンプにはデリケートな部分があり、間違った使い方をしていると極端に真空管の寿命を縮める事になります。
デリケートな部分とは、電源を入れてから暖機運転の時間が必要なんです。
ゲインやボリュームなど全てのつまみを0の位置にしてから電源を入れ、最低1分ほどは暖機をして下さい。
これを怠ると真空管にダメージを与えてしまうので要注意!
また、きちんと使っていても真空管は消耗していくので交換が必要となります。
このアンプの場合は、交換時期をランプで知らせてくれるので、ランプが点灯したら真空管を交換して下さいね。
使われている真空管には種類があるので、事前に調べて間違いの無いように!
「Bugera V5 INFINIUM」には、パワー管に「EL-84」、プリ管に「12AX7A」という種類の真空管が各1本づつ使用されています。
これに見合った真空管を準備して交換して下さいね。
また、真空管のメーカーを換えると音質も変化します。
あえて違うメーカーの真空管に交換して、音質の違いを楽しむのもありかもしれませんよ。
こういった少し面倒なところもある真空管ですが、そこを踏まえても音質には魅力があります。
クリーントーンが得意な「Bugera V5 INFINIUM」、自宅練習や小さなお店での演奏に、かなりオススメの小型真空管アンプです。